ロードショーの鬼234
フリスコ=キッド


The Frisco Kid.
フリスコってのは、サン=フランシスコ野郎、サン=フランシスコ市民、程度の意味だそうです。
サン=フランシスコ小僧とか、サン=フランシスコの若大将くらいの意味ですかね。
パッケージでわかりますよね、どっちが重要視されてるか。アメリカ版ではジーン=ワイルダーってのは有名なコメディ俳優なんでそっちがメインですが、日本未公開のこの映画、日本ではヴィデオ販売のみですが、ハリソン=フォードが真ん中に来てます…。(FRATの時もそうでしたね。モーガン=フリーマン達の方が日本では知名度があるから、アメリカ版と逆の配置。)
ポーランドの神学校。時は1950年。歳老いたラビたちがイディッシュ(ドイツ語系ヘブライ語)で討論してます。ゴールドラッシュに沸くアメリカはカリフォルニアにできた新たな信徒会にトーラを授ける新たなラビとして一体誰を派遣するか。ラビの長老(レオ=フュッチ)は、エブラム=べリンスキー(ジーン=ワイルダー)を派遣する心づもりだったが、他のラビ達の賛同を得られない。なにせ、エブラムは、今年度卒業のこの神学校の88人中87位の成績だったからである。ただ、エブラムは英語が喋れる。そこで長老は、「何と言おうとこのエブラムを派遣するぞ。何せ私がラビの長なのだから!」と宣言し、エブラムの派遣が決まる。
フィラデルフィアに着くと、エブラムが乗るはずだった船は既に昨日出発してしまっていた。(ゴールドラッシュの為にいくらでも客がいるので、満席になったら出発日よりも先に出航してしまうらしい。)エブラムの後ろに並んでいた客マット=ディッグス(ウィリアム=スミス)は、カリフォルニアで危篤に陥った母にどうしても会いたいと、ごねていた(全財産の馬車をもう売ってしまったんだ云々)が、エブラムが相談に乗る(馬車を取り戻す)と持ちかけると、兄ダリル(ジョージ=ディセンツィオ)と、馬車の飼い主ミスター=ジョーンズ(ラモン=ビエリ)の元に連れて行く。ジョーンズはこの売買で50ドルの利益を上げなければ困ると言い、売値では買い戻せない。見かねた、エブラムは、50ドルを出す代わりに、自分もその馬車に乗せてカリフォルニアまで連れて行ってくれと交渉をまとめる。泣いて喜ぶ兄弟だったが、カリフォルニアに向けて出発すると、後ろからジョーンズが追ってくる。そして馬車の荷台に乗っていたエブラムを引きずり落とし、大事なトーラや服、旅行かばんなどを全部捨て現金200ドルを奪って、エブラムを下着姿で放りだす。そう、三人は初めからグルだったのだ…。
有り金をすべて失ったが、服やトーラを丹念に拾い集めたエブラムは、やがて馬車に乗って黒い帽子をかぶった黒服の集団が視界に入る。ユダヤの同胞だと勘違いしたエブラムは「同朋よ、助けてくれ!」と叫びながら、彼らの元に駆けつけるが…
エブラム「大変な目に会ったんだ」(←イディッシュ)
村人「なんだ?ドイツ語じゃないぞ。英語はしゃべれるか?」(←ドイツ語)
何だか様子がおかしい。そして、彼らの胸のポケットの中にある本に十字架が刻まれているのを見て、エブラムは彼らがユダヤ教徒でないことを悟る…。(十字架がシンボルになるのは十字架に架けられたイエスを信じるクリスチャンだけ。)
そう、ここは、ドイツ系のキリスト教原理主義者アーミッシュ達の村だったのだ!
(まあ、馬車に乗ってる時点で気付けよってな話ですが…)
アーミッシュ達は親切にもエブラムを受け入れてくれ数日間逗留させてくれる。また、なけなしの現金を渡してくれ、これでアクロンまでの列車に乗りなさい、と言ってくれる。しばらく列車に乗って、列車強盗フリスコ=キッド(ハリソン=フォード)と入れ違いになったりしながら、土曜日は乗り物に乗ってはいけないので降りて歩いたり、日銭を稼ぐために大陸横断鉄道の建設を手伝ったりしながら、西へ向かう。中国人ピンさん(クライド=草津)やラテン系のパコなんかと仲良くなったが、馬を買って西へと旅立つ。
馬を買ってすぐ、再びフリスコ=キッドと邂逅。わざと道を間違えたり、崖を飛び越えてお人好しのキッドを同道させることに成功。風雪吹きすさぶロッキーを越えるとようやく西部にたどり着く。町に着くなりキッドは事情を説明せず銀行を強盗。巻き込まれたエブラムも追われることに。ところが翌日は土曜日。逃走二日目にして、「戒律があるから」と徒歩で逃げだす。一旦は置いて行くことにしたキッドだがお人好しの為に結局見捨てられず付き合う。
何とか逃げ切ったものの、今度はネイティヴアメリカンにつかまり、火あぶりになりかけたりする。
酋長グレイ=クラウド(ヴァル=ビソグリオ)に気に入られ、彼らにとっての神は雨を降らせる存在なのだが、「ユダヤの神は全能だが、そんなことはしない」と熱弁していると雷鳴を伴った豪雨が降り始め、お酒をふるまわれて酔っぱらって踊ってるうちに意識を失ってしまう。
意識を失ったエブラムが運び込まれたのは、キリスト教の修道院。この修道院では修道士達は沈黙の行を行っているのだが、食事の最中にしつこく話しかけて沈黙を破らせてしまう。(院長が大笑いするので笑ってすませられたが…)
そんな旅を続けるうちにエブラムから現金を奪った三人組と再会し、素手で立ち向かったエブラムは嬲り者にされるが、銃を使ってキッドが見事に奪い返す。ところが、復讐の隙を窺っていた三人に、油断した隙を襲撃され、自衛の為にエブラムは人を殺してしまう…
ま、最後はハッピーエンドでした。
ハリソン=フォードが若くてカッコいいです。
たまにオリヴァー=カーンにしか見えませんが。
ハリソン=フォードとアーミッシュというと、刑事ジョン=ブック・目撃者(ロードショーの鬼206)を思い出すかもしれませんが、この映画では、アーミッシュ達とは出会いません。あの映画ではみんな英語だったのかな?
英語で「イギリス人達に気をつけろ!」ってずっと言ってましたから、多分あれドイツ語で言わないと意味がないんじゃないのかな?
ヒロインのベンダー家の娘さんはほとんど出てきませんから印象に残ってません。
というか、海岸で戯れる、ワイルダーとハリソン=フォードがキモイです。
ホモかよ?ってくらい男二人で、戯れてます。
そこを襲われるんだから、油断しすぎやねんて。
いや、ゴールドラッシュ期のアメリカは確かまだ大陸横断鉄道が通ってないんですよね…。
昔英語の教科書で読んだんですが、船でマゼラン海峡周り(パナマ運河未開通)か、馬車でロッキー越え…あれあと一つルートがあったような?
戒律に忠実ですがそれなりに柔軟性は持ってます。太陽が沈むまでは乗り物に乗ってはいけないが、高い山の陰に入るように膝を曲げて視界から消してみたり…。
ユダヤの踊りをネイティヴアメリカン達に教えてるんですが、最初はステップだけだったんで気付きませんでしたが、次第に「あれ、これってマイムマイムじゃ?」ってな感じになります。そういや、マイムマイムってイスラエルの泉が湧きだした喜びを歌った踊りなんですよね。雨が降った後に踊るには最適?
レオ=フュッチはイディッシュのフレッド=アステアと呼ばれるほどの名優だそうな。


The Frisco Kid.
フリスコってのは、サン=フランシスコ野郎、サン=フランシスコ市民、程度の意味だそうです。
サン=フランシスコ小僧とか、サン=フランシスコの若大将くらいの意味ですかね。
パッケージでわかりますよね、どっちが重要視されてるか。アメリカ版ではジーン=ワイルダーってのは有名なコメディ俳優なんでそっちがメインですが、日本未公開のこの映画、日本ではヴィデオ販売のみですが、ハリソン=フォードが真ん中に来てます…。(FRATの時もそうでしたね。モーガン=フリーマン達の方が日本では知名度があるから、アメリカ版と逆の配置。)
ポーランドの神学校。時は1950年。歳老いたラビたちがイディッシュ(ドイツ語系ヘブライ語)で討論してます。ゴールドラッシュに沸くアメリカはカリフォルニアにできた新たな信徒会にトーラを授ける新たなラビとして一体誰を派遣するか。ラビの長老(レオ=フュッチ)は、エブラム=べリンスキー(ジーン=ワイルダー)を派遣する心づもりだったが、他のラビ達の賛同を得られない。なにせ、エブラムは、今年度卒業のこの神学校の88人中87位の成績だったからである。ただ、エブラムは英語が喋れる。そこで長老は、「何と言おうとこのエブラムを派遣するぞ。何せ私がラビの長なのだから!」と宣言し、エブラムの派遣が決まる。
フィラデルフィアに着くと、エブラムが乗るはずだった船は既に昨日出発してしまっていた。(ゴールドラッシュの為にいくらでも客がいるので、満席になったら出発日よりも先に出航してしまうらしい。)エブラムの後ろに並んでいた客マット=ディッグス(ウィリアム=スミス)は、カリフォルニアで危篤に陥った母にどうしても会いたいと、ごねていた(全財産の馬車をもう売ってしまったんだ云々)が、エブラムが相談に乗る(馬車を取り戻す)と持ちかけると、兄ダリル(ジョージ=ディセンツィオ)と、馬車の飼い主ミスター=ジョーンズ(ラモン=ビエリ)の元に連れて行く。ジョーンズはこの売買で50ドルの利益を上げなければ困ると言い、売値では買い戻せない。見かねた、エブラムは、50ドルを出す代わりに、自分もその馬車に乗せてカリフォルニアまで連れて行ってくれと交渉をまとめる。泣いて喜ぶ兄弟だったが、カリフォルニアに向けて出発すると、後ろからジョーンズが追ってくる。そして馬車の荷台に乗っていたエブラムを引きずり落とし、大事なトーラや服、旅行かばんなどを全部捨て現金200ドルを奪って、エブラムを下着姿で放りだす。そう、三人は初めからグルだったのだ…。
有り金をすべて失ったが、服やトーラを丹念に拾い集めたエブラムは、やがて馬車に乗って黒い帽子をかぶった黒服の集団が視界に入る。ユダヤの同胞だと勘違いしたエブラムは「同朋よ、助けてくれ!」と叫びながら、彼らの元に駆けつけるが…
エブラム「大変な目に会ったんだ」(←イディッシュ)
村人「なんだ?ドイツ語じゃないぞ。英語はしゃべれるか?」(←ドイツ語)
何だか様子がおかしい。そして、彼らの胸のポケットの中にある本に十字架が刻まれているのを見て、エブラムは彼らがユダヤ教徒でないことを悟る…。(十字架がシンボルになるのは十字架に架けられたイエスを信じるクリスチャンだけ。)
そう、ここは、ドイツ系のキリスト教原理主義者アーミッシュ達の村だったのだ!
(まあ、馬車に乗ってる時点で気付けよってな話ですが…)
アーミッシュ達は親切にもエブラムを受け入れてくれ数日間逗留させてくれる。また、なけなしの現金を渡してくれ、これでアクロンまでの列車に乗りなさい、と言ってくれる。しばらく列車に乗って、列車強盗フリスコ=キッド(ハリソン=フォード)と入れ違いになったりしながら、土曜日は乗り物に乗ってはいけないので降りて歩いたり、日銭を稼ぐために大陸横断鉄道の建設を手伝ったりしながら、西へ向かう。中国人ピンさん(クライド=草津)やラテン系のパコなんかと仲良くなったが、馬を買って西へと旅立つ。
馬を買ってすぐ、再びフリスコ=キッドと邂逅。わざと道を間違えたり、崖を飛び越えてお人好しのキッドを同道させることに成功。風雪吹きすさぶロッキーを越えるとようやく西部にたどり着く。町に着くなりキッドは事情を説明せず銀行を強盗。巻き込まれたエブラムも追われることに。ところが翌日は土曜日。逃走二日目にして、「戒律があるから」と徒歩で逃げだす。一旦は置いて行くことにしたキッドだがお人好しの為に結局見捨てられず付き合う。
何とか逃げ切ったものの、今度はネイティヴアメリカンにつかまり、火あぶりになりかけたりする。
酋長グレイ=クラウド(ヴァル=ビソグリオ)に気に入られ、彼らにとっての神は雨を降らせる存在なのだが、「ユダヤの神は全能だが、そんなことはしない」と熱弁していると雷鳴を伴った豪雨が降り始め、お酒をふるまわれて酔っぱらって踊ってるうちに意識を失ってしまう。
意識を失ったエブラムが運び込まれたのは、キリスト教の修道院。この修道院では修道士達は沈黙の行を行っているのだが、食事の最中にしつこく話しかけて沈黙を破らせてしまう。(院長が大笑いするので笑ってすませられたが…)
そんな旅を続けるうちにエブラムから現金を奪った三人組と再会し、素手で立ち向かったエブラムは嬲り者にされるが、銃を使ってキッドが見事に奪い返す。ところが、復讐の隙を窺っていた三人に、油断した隙を襲撃され、自衛の為にエブラムは人を殺してしまう…
ま、最後はハッピーエンドでした。
ハリソン=フォードが若くてカッコいいです。
たまにオリヴァー=カーンにしか見えませんが。
ハリソン=フォードとアーミッシュというと、刑事ジョン=ブック・目撃者(ロードショーの鬼206)を思い出すかもしれませんが、この映画では、アーミッシュ達とは出会いません。あの映画ではみんな英語だったのかな?
英語で「イギリス人達に気をつけろ!」ってずっと言ってましたから、多分あれドイツ語で言わないと意味がないんじゃないのかな?
ヒロインのベンダー家の娘さんはほとんど出てきませんから印象に残ってません。
というか、海岸で戯れる、ワイルダーとハリソン=フォードがキモイです。
ホモかよ?ってくらい男二人で、戯れてます。
そこを襲われるんだから、油断しすぎやねんて。
いや、ゴールドラッシュ期のアメリカは確かまだ大陸横断鉄道が通ってないんですよね…。
昔英語の教科書で読んだんですが、船でマゼラン海峡周り(パナマ運河未開通)か、馬車でロッキー越え…あれあと一つルートがあったような?
戒律に忠実ですがそれなりに柔軟性は持ってます。太陽が沈むまでは乗り物に乗ってはいけないが、高い山の陰に入るように膝を曲げて視界から消してみたり…。
ユダヤの踊りをネイティヴアメリカン達に教えてるんですが、最初はステップだけだったんで気付きませんでしたが、次第に「あれ、これってマイムマイムじゃ?」ってな感じになります。そういや、マイムマイムってイスラエルの泉が湧きだした喜びを歌った踊りなんですよね。雨が降った後に踊るには最適?
レオ=フュッチはイディッシュのフレッド=アステアと呼ばれるほどの名優だそうな。
tag : ハリソン・フォード